ひとめぼれは運命

昔は惚れっぽいほうではあったと思うが、年を取ると、なかなか心が動かない。
心が動いたとしても、体が動く（行動に移すこと）ためには、より多くのパワーがいる。

年を重ねると、いろんなことを知りすぎて、打率を計算してしまうのか。行動に至るまでの障害が多いのよね。
運命だ！と、のぼせ上っていた若気の至りが懐かしい。

一方で、老い先短いという言葉がリアルに身に染みるお年頃としては、若気の至り以上に、思い切りよくハンドルを切れるようにもなった躊躇のなさも感じる。

アラフィフの運命感じた！は、本物だと思うわ。

と、言い訳はこの辺にして、最近の運命（という名の散財）についてお話しよう。

日曜の夜、ゴロゴロしてインスタグラムを見ていると、ジュエリーの広告が出てきた。
目を引くデザイン性の高いジュエリー。

気になる。詳しく見る、へ誘われ、インスタをチェックすると「これが買えるように、頑張って働きます」とコメントあり。

つまり、これは、ものすごく高いってことだな・・・

ホームページを確認してみても、値段がわからない。格好いいページだなぁ。と次はYouTubeにたどり着く。制作過程が丁寧に紹介されており、すべてがアートだ。こだわりの作品たち。
これは！！ものすごいパワーを秘めていそう。ぜひ実物を見てみたい。

翌日、昼休みに「今日のランチはお弁当買わない？」と、同僚を誘って、明日までPOPUP店があるというデパートまで行ってみる。

宝飾売り場や賑わうワークショップとは違う7階の普段訪れないエリアに。あ、YouTubeで見た人だ。思ったより小さなブースで、作家さんが一人、ケースの前にいた。

どれも繊細で素敵な作品。ちょっと癖もあって、女子の誰もが好きってわけでもないかもしれない。むしろおしゃれな男性好みなのかな。

最初に目に入ったのが、太陽と月のモチーフ。

メッセージ性が気に入った。作家の西村さんが、一つ一つ丁寧に説明してくれる。ただ見るだけよりも、その思いに触れることで、より輝いて見える。

インスタグラムの表紙にあったこちらの妖精さん
あぁ。好き。かわいい。

だけど、テーマが引っかかる。

わたし、ちゃんと足元の幸せも知ってる。でも、もっともっと・・・まだ足りない。遠くへ行きたいの。
まだ見ぬすごい私になりたいの。だから、すでにあるって言わないで。。。

・・・そう思っている。妖精さんが欲しいと思って訪れたのに、どうしよう。

他を見てみよう。作家さんのメッセージが、そこにある作品に姿を変えている。どれもうかつに手に取れない。しっくりこないというか。いろいろ見て歩いても、戻ってきてしまう妖精さん。

決めきれずにうろうろしている私に、西村さんが話しかける。

「素敵な作品を作れていいですね。」と言われるけれど、これを選んで、身に着けているその人が、すでにその思いを表現している表現者なんです。

って。きっと私に必要なメッセージは、この妖精さんなんだろうな。と後押しされる。

届かない宝石（私の才能）が欲しい。
でもきっと、私はすでにたくさんの宝物を持っているのだろう。
それに気づきなさい。

このジュエリーの題名は、Link=繋がり

一緒に行ったお友達も、気に入ったものを見つけてそれぞれ購入。
私はそれを選ばなかったけれど、彼女にはとてもよく似合っていた。お店まで歩きながら話していた内容にぴったり。それぞれに必要なメッセージに出会えるものね。

お弁当を買いに行って、ついでに買ってくるものではないけれど、運命の出会いをしてしまったから、仕方ない。購入から一週間。すっかり、以前から持っていたような気分で、毎日ホクホクしています。

作家さんとお話できたのがよかった。とても楽しい時間でした。

誰かと目を合わせながら話すことは、最近なかったなと思う。ましてや、こんな男前ならなおのこと、目を合わすのは憚られる気がするのだけれど・・・目の奥から真摯な思いがまっすぐに伝わってきて、その奥の作品たちとお話できた気分です。

かわいいなぁ
これからの人生のお守りを見つけた。きっと良き方向へ導いてくれる。
胸元が暖かくなり、そのままでいいのだと、自信を持たせてくれるそんなお守り。

あの光が欲しいな
もう少しで届くのにな
ここを飛び出せば、手に入るのかな
ちょっと勇気を出してみようかな

でもね
これまでにも、たくさんがんばってきたから
すごく素敵なものを、もう持ってるんだよ
知ってた？
よくみてごらん
きらきらしているよ

この妖精さんに出会って、このサイトも「つながり」をテーマにしようと決めました。